ゾイドのアクションプラモデルシリーズ「REALIZE MODEL(以下、リアライズモデル)」より、「RMZ-005 モルガ」のレビューです。
共和国のコマンドウルフと同様、時代を超えてキット化が続く、帝国ゾイドの名機「モルガ」。
元々キットとしても小型な「モルガ」が、リアライズモデルの1/100スケールという小さなサイズで展開されるとなると、そのクオリティは果たしてどれほどのものか。
実際に組み立ててみた感想を交えながら、詳しくレビューしていきます。
リアライズモデル RMZ-005 モルガ

| 名称 | RMZ-005 モルガ ガイロスカラー |
| キット内容 | 組み立てプラモデル |
| 価格 | 2,750円 |
| 発売元 | タカラトミー |
| 主な登場作品 | 『ゾイド -ZOIDS-』『ゾイドジェネシス』 |
最初にモルガについて解説。
モルガはゼネバス帝国が開発した昆虫型ゾイド。
頭部の重装甲を活かし、前線の突撃部隊として重宝された量産型ゾイドで、その汎用性の高さから、さまざまなバリエーションが存在します。

第1期シリーズから登場している古参ゾイドであり、1999年のアニメ放送時の第2期シリーズ以降は、ガイロス帝国が運用するゾイドとして描かれました。このリアライズモデルは、その第2期シリーズに登場した「ガイロス帝国カラー」でのキット化。アニメ世代の自分としても非常に馴染み深いカラーリングです
パッケージとランナー構成
まずパッケージとランナーについて。
同時発売の「RMZ-004 ヘルキャット」と並び、過去に発売されたリアライズモデルの中で最小サイズとなっています。
パッケージ

パッケージはこちら。
前作コマンドウルフと比べても、箱の厚みがさらに薄く、縦横のサイズも若干コンパクトになっています。
ランナー

ランナーはこちら。キャップパーツを含めて全部で7枚という、とてもシンプルな構成です。
ただし、関節の可動ギミックがあるため、それぞれのパーツは非常に細かく精密なつくりになっています。
ラベル、デカールは付属しない

なお、例によってラベルやデカール類は付属しません。
もともと僕はプラモにデカールをあまり貼らない派なので特に気になりませんが、この点についてはリアライズモデルへの不満点として偶に耳にします。
たしかに、例えば将来的にルドルフの親衛隊仕様などのバリエーションキットが検討された場合、国章などのマーキングが付属しないとしたら、それが商品化のハードルになってしまうかもしれません。
組み立てはサクサク

今回のモルガも、前作コマンドウルフ同様に組み立ては非常にスムーズでした。
ランナーの枚数が少ないこともあり、作業はテンポよく進行します。
一部、注意が必要な箇所も
とはいえ、いくつか注意点もあります。
まず、全体的にゴムキャップが固めで、サクッと嵌まらない箇所が多くありました。こういった部分は水平を意識しつつ、机に押し付けるような方法でなんとか取り付けました。個体差かもしれませんが、組み立ての中で唯一時間がかかったのが、このゴムキャップ周りの作業です。

それと説明書にも注意書きがありますが、車輪パーツは一見、穴とピンの位置は自由に差し込めそうに見えて、実はちゃん正しい位置が決まっています。
ここは裏側からピンと穴の位置を確認し、きちんと揃えたうえで組み込む必要があります。

顔が出来上がるとワクワクが加速

組み立ては最初に顔のパーツから始まりますが、装甲パーツを取り付けた瞬間、「モルガだ!!」という実感がこみ上げてきました!
装甲パーツを取り付けると、あの馴染み深い「顔」が一気に完成。組み立てていて、一番テンションが上がった瞬間です!
さらに、コックピット周辺のディテールも非常に緻密で、この時点で完成後の仕上がりに大いに期待が持てました。やっぱりリアライズゾイドはいいぞ!
完成。所要時間は1時間程度

そうこうしているうちにサクっと完成。
組み合わせに迷う箇所もなく、所要時間としてはおよそ1時間程度で完成しました。慣れている人ならもっと早く組み立てられるかもしれません。
それでは、ここからはキット全体のレビューに入ります。
モルガ全身のプロポーション


全身のプロポーションがこちら。
比較用に1999年版の「EZ-006 モルガ」の写真を並べます。アニメ放送当時に購入したキットなので、26年ぐらい経過しています。ゴムキャップの劣化は見受けられますが、本体の状態は良好です。
全体のデザインはトミー版キットのスタイルをほぼ踏襲。リアライズモデルのコマンドウルフ同様、極端なアレンジは加えられておらず、オリジナルのシルエットをとても尊重したまま、各部をディティールアップしているのがわかります。





各部ディティール
モルガの各部ディティールのクオリティはこちら。
頭部アーマー

コックピットを守る、頭部アーマー。モルガの「顔」と呼ぶにふさわしい、アイコニックなパーツです。
コックピット



アーマーを開くと、中には帝国小型ゾイドの共通コックピットが収まっています。
この共通コックピットのリアライズ化により、今後のラインナップに登場する帝国小型ゾイドの幅が広がったと思うので、非常に楽しみですね。
レーザーカッター(牙)

モルガの牙に相当するパーツであるレーザーカッター。しかしアニメではこの武装が活躍する場面は描かれませんでしたね。
タイヤ

モルガの特徴的なタイヤ部分。これを見るだけで、アニメに登場した際の回転音が自然と脳内に再生されます(笑)。
アニメ版モルガは、効果音(SE)も魅力のひとつでしたよね。唸るような咆哮と、このタイヤの回転音のコンビネーションが非常に印象的で、今でも耳に残っています。
格好良いんだよなぁ。モルガが大挙して進軍するあの「音」が。
背面

地対空2連装ミサイル

地対空ミサイルはこちら。
後述しますが、ここのハッチとミサイルの展開ギミックが非常に進化しています。
3Dレーダーアンテナ

モルガの顔が帰ってきた!

今回、一番僕が気に入っているのが、この「顔」!……いや、正確にはコックピットを守る頭部アーマー周辺のデザインですが。
これだよこれ。この顔を待っていたんだよ。
個人的な印象ですが、コトブキヤのHMM版モルガはアールが強く、全体的に丸みを帯び過ぎ。本家新作のAZ版も、目のような見える装甲部分のくぼみや、牙の造形がだいぶトンガリ気味で、オリジナルのモルガとはだいぶ異なる印象を受けていました。
個人的には、ここにきてようやく馴染み深い“あの頃”のモルガが帰ってきたという感覚です。
ただし装甲が埋まっているのは残念

ちなみに栃木県にある実物大モルガの頭部も、再塗装後はリアライズ(左)に近い表現になっている
ただし、基本的なデザインは戻ってきた一方で、惜しいと感じる点も。
リアライズ版では、コックピットと装甲パーツの間も、装甲で埋められてしまっています。いや、そこは埋めないで、空洞のまま、もしくはグレーにしてほしかった……。全面装甲ではなく、あくまで兜のように「冠っている」ようなデザインこそが、モルガの魅力だと思うのですが。そこだけは惜しかったです。
可動域のチェック
さて、ここからはリアライズモデルの真骨頂とも言える、可動域のチェックです。
これが本当に素晴らしく、単に上下左右に動くだけではなく、各パーツが非常に細かく分割されており、それぞれが独立して可動します。
全身の可動域



まず、全身の可動域がこちら。
引き出し関節を内蔵し、前後左右に大きくUの字状に曲げることが可能です。
首の可動域

首の可動ギミックは、リアライズモデル前作のコマンドウルフと同様に、ユニークなギミックが施され、左右へ大きく可動できる仕様となっています。

今後もリアライズモデルの標準ギミックになりそうです
構造としては、首と本体を繋ぐジョイントパーツがあり、本体側と接続された基部①と、首の関節となる②の2つの軸によって構成されています。
通常、このジョイントパーツは横向きに折りたたまれた状態ですが、頭部パーツを引っ張ると、ジョイントパーツが縦方向に起き上がり、その結果、②の回転範囲が大きく確保され、首全体を左右に大きく振ることが可能になります。

また、折りたたまれた状態でも、②の左向きへの可動が限界に達すると、①を中心としてジョイントパーツが自動的に起き上がってくるので、そこからさらに首全体を大きく左に振ることができるようになります。
このユニークな構造は、今後もリアライズモデル小型ゾイドの標準的なギミックになりそうです。
上下の可動域


後部ハッチの可動域にも脱帽

そして今回、最も衝撃を受けたのがこちら。
後部ハッチおよび地対空ミサイルの可動域です。
ハッチは従来キットのような単純な一括開閉式ではなく、蛇腹状に一枚一枚が展開する構造に進化しました。





さらに、格納された地対空2連装ミサイルは基部で旋回・仰角調整が可能。加えて、左右それぞれのミサイルの仰角を個別に変更できる仕様になっています。


これには正直、驚きました。
過去に発売された歴代のモルガキットの中でも、最大級の可動域を誇ることは間違いありません。まさかこの1/100スケールというサイズで、ここまで緻密な可動ギミックを搭載してくるとは。
タカラトミーの「本気」が、ここにあります。

一方で1/100スケールの課題も見えてきたかも

一方で、リアライズモデルに今回初めて「小型ゾイド」がラインナップされたわけですが、いよいよ1/100スケールという小ささ故の課題が顕著化してきたように思います。
もともと小型ゾイドであるモルガが1/100スケールまで縮小されると、本当に手のひらサイズ。とにかく小さい。その結果、各パーツが非常に細かくなってしまい、ジェノザウラーの際には感じなかった、遊びづらさが目立ち始めました。
せっかく後部ハッチは蛇腹状に細かく展開し、ミサイルは旋回に加え、全体の仰角、さらには左右それぞれのミサイルの仰角まで個別に変更できるという、手の込んだギミックが搭載されているのに、パーツを動かそうとすると、小さすぎて他のパーツにも指が接触してしまい、頻繁にポロリと外れてしまう。
このモルガのメインターゲットは第1期及び第2期世代のはず。そう考えると僕と同世代である昭和生まれのおっさん大人ですよね。そんな大の大人の大きな手では、なかなか扱いづらいものがあります。何度も繰り返すうちに、将来的にゴムの接続部も緩んできそうで不安です。

リアライズモデルは、劇中ポーズの再現性や驚異的な可動ギミックにこだわっているシリーズですが、これらの魅力を最大限活かせるサイズって、本当に全キット1/100スケールなのかな?と疑問に思ってしまいました。
元が大型ゾイドであるジェノザウラーは1/100スケールになっても、特に違和感はありませんでしたが、もともと小型だったゾイドをここまで縮小すると、リアライズの強みが活かしきれない印象を受けました。
コレクション性の点においては確かに1/100スケールは優れていると思います。それは僕も実感している。その一方で、せっかくここまで自由に動かして遊べる構造になっているのに、小さすぎてそのポテンシャルが十分に発揮できないゾイドが出てきそうだなと、今回モルガを遊んでみて思っちゃいましたね。
まとめ

以上、「RMZ-005 モルガ」のレビューでした。
リアライズモデルのモルガは、懐かしさを感じさせつつ、最新技術による可動ギミックを詰め込んだ、非常に完成度の高いキットでした。
特に「顔」の造形や、後部ハッチの蛇腹展開、地対空ミサイルの細やかな可動は、旧来ファンにも感動を与える仕上がりだと思います。僕としても大満足のクオリティでした!
一方で、1/100スケールというシリーズの特徴が裏目に出た印象も否めません。とにかくサイズが小さいため、扱いには繊細さが求められ、せっかく遊びがいがあるキットなのに、パーツのポロリが気になって、遊びづらさや将来的な破損のリスクを感じる場面もありました。そこだけがちょっとネックですね。
それでも、あのモルガがこのクオリティで令和に甦ったという事実には大満足。リアライズモデルが今後も多様なゾイドを展開していくことに、ますます期待が高まりました。
最近は帝国ゾイドのラインナップが続いているので、そろそろ共和国小型ゾイドのラインナップも充実させていってほしいですね。期待しています。
サイズごとの指標が出揃ってきた
それと、このモルガとヘルキャットの発売、および年末発売予定の「アイアンコング」のキット化により、旧トミー版ゾイドの巨大(電源駆動)、大型(電源駆動)、中型(ゼンマイ)、小型(マイクロゼンマイ)ゾイドがリアライズ化したことになり、カテゴライズごとの指標が出来上がったと思います。
今後のリアライズ化時にも、これらの分類をもとに、ある程度はサイズやクオリティ、価格に見当がつきそうです。













