ついに発売された、ゾイドに新たなアクションプラキットモデル「REALIZE MODEL(以下、リアライズモデル)」。
その第1弾として登場したうちの一体、「RMZ-002 ジェノザウラー」をレビューします!
昨年の発表以来、期待と不安が入り混じる中で待ち続けていた「ゾイドの新たな挑戦」。果たしてその仕上がりはどうなのか? 実際に組み立てた感想をお届けします。
リアライズモデル RMZ-002 ジェノザウラー

名称 | RMZ-002 ジェノザウラー |
キット内容 | 組み立てプラモデル |
価格 | 6,600円 |
発売元 | タカラトミー |
発売日 | 2025年2月 |
主な登場作品 | ゾイド -ZOIDS- ゾイド新世紀/ゼロ |
ジェノザウラーは、ガイロス帝国に属する恐竜型ゾイド。
アニメ「ゾイド -ZOIDS-」劇中では、主人公バンの宿敵、レイヴンの2代目の乗機として登場しました。
破滅の魔獣「デスザウラー」の変異体であり、ガイロス帝国の摂政ギュンター・プロイツェンの指示のもと開発されたゾイドです。
最大の特徴は、口内に装備された「荷電粒子砲」。その圧倒的な破壊力の前に、共和国軍は幾度となく壊滅させられました。

劇中では、まさに無類の強さを誇るゾイドであり、少年時代編では準ラスボス的なポジションです。
第33話「宿命の対決」でのブレードライガーとの決戦は今でも忘れられないシリーズ屈指の回。個人的には、この回の戦闘シーンの興奮は、ついに最終回ですら超えることはなかったですね。まさに神回。
ジェノザウラー全身のプロポーション


ここからはキットとしてのレビューに移ります。まず本体のデザインはこちら。
今回のリアライズモデルは「1/100 スケール」で、従来の「1/72」よりもコンパクトなサイズ。しかし、ディテールはむしろ精密化され、よりリアルな造形に仕上がっています。



可動ギミック




新シリーズとなる「リアライズモデル」の大きな特徴のひとつが、可動ギミックの充実度。アニメ放送当時のムービングキットでは、電動歩行ギミックの影響で可動域に制限がありました。
本シリーズでは、歩行ギミックをオミットすることで、アクションプラモデルならではの高い可動性を実現。幅広いポージングが楽しめるうえ、コレクション性も高い仕様になっています。


荷電粒子砲発射体制の再現!

アニメを見ていた人なら、絶対に再現したいポーズといえば荷電粒子砲の発射体勢!リアライズモデルでは、この構えをしっかりと再現できます。
放送当時に発売されたムービングキットでは、機構の都合上、全身を完全に水平にすることができず、このポーズを取らせるのは難しいものでした。そのため、この発射体制は、ファンの間でも憧れられていたポーズのひとつです。

この要望が多かったのか、後年コトブキヤのHMM版ジェノザウラーが再販される際、一部が改良され、荷電粒子砲発射体勢を再現できる仕様になりました。
そのときもファンの間で大きな話題になり、「ついに!」と歓喜する声が上がったほど。それほどまでに、ジェノザウラーといえばこのポーズ、というイメージが根強いです。
余談。この機会に実家のジェノザウラーを確認

比較用に、実家に保管してあるアニメ放送当時に購入したジェノザウラーを撮ってきました。25年の時を経て、特に塗装部分の劣化が進み、だいぶ色褪せています……。
当時からお気に入りのキットだったため、子ども同士でワイワイ遊び倒していた影響もあるのか、他のゾイドに比べて明らかに状態が悪いですね。。
各部ディティール
閑話休題。ここからは各部ディティールについて確認していきます。
顔(レーザーガン)

顔面のアップ。デスザウラーの遺伝子を継ぐ、凶悪な顔つきを再現。レーザーガンは「一般仕様」と「レイヴン仕様」のどちらかを選択可能です。僕は勿論「レイヴン仕様」のバージョンを選択しました。
顔面の造形について、プロモーション映像を見たときは、正直「なんかデフォルメ感があるな……」と、少し違和感を覚えたのですが、実物を手に取ってみると、特に気になりませんでした。やはりCGと実物では印象が異なるものだと実感します。
コックピット

パイロットフィギュアも、一般兵とレイヴンのどちらかを選択可能。こちらも勿論、レイヴンを選択。
集束荷電粒子砲

口内の荷電粒子砲もしっかり再現。さらに、荷電粒子の充填エフェクトパーツも付属します。
充填エフェクトパーツ
荷電粒子砲をチャージする、充填エフェクトパーツは透明なカラーリング。肝心の荷電粒子砲を「発射」したエフェクトが付属していないのは少し意外でした。
もしかして、ジェノブレイカーの発売を見越して、そちらに付属させるつもりなのでは……🤔(邪推)。
尾部 排熱フィンの開放

排熱フィンの開放も、しっかり再現。
ロングレンジ パルスレーザーライフル


ロングレンジ パルスレーザーライフルには発射エフェクトパーツが付属します。迫力はありますが色が透明なのが気になるところ。
フットロック(アンカー)

荷電粒子砲の発射時に脚部を固定するためのフットロック。ジェノザウラーの唯一の弱点ともいえる部分です。
劇中でもこの機構にバンは勝機を見出しました。しかし、ジェノザウラーもジェノブレイカーも、結局のところ脚部やフットロックが破壊されても、レイヴンの驚異的な操縦技術により、ほぼ影響なく戦い続けていましたよね(笑)。
実際に組み立ててみた感想。新シリーズ「リアライズモデル」の所感

さて、ここからは新シリーズである「リアライズモデル」を実際に組み立ててみた感想に移ります。
速報レビュー時にも触れましたが、リアライズモデルは「組み立てやすさ」を重視したシリーズとしてプロモーションされていました。そのため、ガンプラで言うなら「エントリーグレード」程度の簡易的なキットなのかなと、勝手に想像していました。
しかし実際には、普通にしっかりしたプラモデルです。対象年齢も15歳以上に設定されており、それなりに組みごたえのある仕様になっています。
ライバルのガンプラで例えるなら「RG(リアルグレード)」相当か

個人的な感想ですが、スナップフィット方式のライバルであるガンプラで例えるなら、HG(ハイグレード)以上、MG(マスターグレード)未満の組み立て難易度といった印象です。少なくともエントリーグレードのレベルではなく、工程もしっかりしており、それなりに作り応えがあります。サイズ感やパーツの精密さを考えると、RG(リアルグレード)相当といったところでしょうか。
確かに、宣伝通り組み立てやすく、基本的にはサクサク進みます。ただ、「組み立てやすさ」を特に強調するほど、他社のスナップフィットプラモデルと比べて明確な優位性があるかと言われると、そこまでの違いは感じませんでした。
1/100スケールのコレクション性について

また、リアライズモデルは、従来のゾイドキットの1/72スケールではなく、1/100スケールで展開されています。
最初に発表されたときは「小さいなぁ」と正直不満があったのですが、実際に手に取ると、そのコレクション性の高さは認めざるを得ません。
というのも、ゾイドは基本的に大型なので、保管には一苦労します。僕もアニメ放送当時に購入した大量のゾイドを実家に保管していますが、かなりのスペースを取るのが現状。実家だからなんとか置けていますが、もし「全部そっちに持っていけ!」なんて言われたら……奥さんになんて言われるか分かったものじゃない(笑)。
そういう意味でも、1/100スケールは、「コレクションしやすさ」と「迫力」のバランスが絶妙に取れたサイズだと感じました。
さらに、1/72スケールのムービングキットは、サイズや動作機構の関係で商品化される機体が厳選されがちですが、リアライズモデルは、より挑戦的なラインナップが期待できるシリーズでもあります。実際に、アニメオリジナルの機体も続々と発表されており、今後の展開がますます楽しみです。
まとめ

以上、「RMZ-002 ジェノザウラー」のレビュー、そして新シリーズ「リアライズモデル」を実際に組んでみた感想でした。
クオリティからタカラトミーの「本気」を感じるアクションプラキットで、ファンとして自信を持ってオススメ出来るキットです。今後の展開も楽しみで仕方ありません。
とにかく近年はアニメ世代のゾイド復活の勢いが止まらない。AZシリーズの始動以降、ゾイド博、ポップアップストア、そしてリアライズモデルと、世代としてこれほど心躍る日々が、放送から20年以上経った今、再び訪れるとは思いもしませんでした。
最近のゾイドレビューでは何度「ワクワクする」と書いたことか。次は何が来る? 何が発表される? 毎回続報が待ち遠しくてたまりません。ゾイドの今後の展開にも大いに期待しつつ、次のキットの情報を楽しみに待ちたいと思います。