新進工房のレザーバック、「大人革袋」を使い始めてから、約2年が経過しました。
個人的には、長財布「バタール」と並んで、新進工房を代表するアイコニックな革製品だと思っているのが、この大人革袋シリーズ。
今回は、その初期モデルを約2年間使い続けて感じた率直な使用感と、レザーアイテムとして気になるエイジング(経年変化)の実際についてまとめます。
新進工房「大人革袋」※初期モデル(ピサレザー)

| 商品名 | 大人革袋 |
| サイズ | 縦約30cm×横約28cm×奥行約13cm |
| 重さ | 約520g |
| 素材 | ピサレザー |
| 販売元 | 新進工房(株式会社仙入) |
新進工房の「大人革袋」、ピサレザーモデルです。購入から約2年が経過しています。
現在では、大人革袋シリーズにはさまざまなバリエーションが展開されていますが、このモデルは記念すべき(?)第1弾の初期モデル。僕が新進工房というブランドを知るきっかけになった商品でもあります。
外装・内装説明

まずは大人革袋の全体レビューから。
現在の後継モデルも同じコンセプトを継承しているかは不明ですが、2023年当時に発売された大人革袋は、「紙袋・ショッパー風のレザーバッグ」というコンセプトを掲げたアイテムでした。分類としては、レザートートバッグにあたると思います。
紙袋を思わせる、全体的にクタっとしたフォルムと、ぷっくりと丸みを帯びたライン。この独特な佇まいが、他のトートバッグにはない個性としてとても魅力的に映り、購入に至った次第です。
サイズ

サイズは縦約30cm×横約28cm×奥行約13cm。
A4サイズが収まり、ノートPCも収納可能。ビジネス用途でも使えます。
素材

※購入から2年使用した状態
外装には、ピサと呼ばれるシュリンクレザー(シボ革)が使用されています。このあたりの仕様は、販売時期やモデルによって異なります。
内装

内装がこちら。
裏地は明るめのグレー系で、中身が非常に見やすい。この手のバッグでは地味ながら、重要なポイントだと思っています。
安価なナイロン製バッグにありがちなのが、外装と同色の裏地仕様。特に黒系のバッグだと中身がまったく見えません。使っていてストレスを感じやすい部分です。
その点、大人革袋は中身の視認性が高く、実用面でもしっかり考えられています。毎日使う道具は、こういう細かい配慮が大事。
レザーポケット

このモデルはオプションで「レザーポケット」と「ファスナーポケット」を追加した、いわゆるフルオプション仕様です。
レザーポケットには、バタール(コードバン)を収納して使っています。床面での擦れが少し心配ではあるものの、サイズ感がほぼジャストで、実用性はかなり高いです。
ファスナーポケット

ファスナーはYKK製です。
バタールのレビューでも触れましたが、個人的に色がシルバーな点がGOOD!
マットな質感のシュリンクレザーと、落ち着いたシルバー金具の相性がとても良く、全体のバランスが取れています。レザー製品というと、なぜか金具は金色という組み合わせが非っ常に多い印象ですが、全体の調和を考えて採用するべきだと思っています。
底面

底面はフラットな作り。
中の底芯は取り外しが可能(※モデルによる)で、バッグを折り畳んで収納できる珍しい仕様になっています。
が、この2年間、折り畳んだことは一度もありませんw 変に折りジワのクセが付くのも嫌なので、今後もあまり使わない機能かも。ただ、引っ越しや長期保管など、シチュエーションによっては便利に感じる人もいるかもしれません。
購入当時と現在を比較。経年変化は……


さて、レザーアイテムで気になるポイントといえば、やはりエイジング(経年変化)。
この大人革袋の初期モデルはシュリンクレザー。いわゆるシボ革を採用しているため、あまり経年変化を楽しむタイプの革ではありません。
実際、約2年間使ってみましたが、やはり見た目上の変化はほとんど感じない。革自体は、触った感触としては多少柔らかくなってきた印象はあるものの、色合いに変化はありません。

写真右 2023年12月撮影
アップで見ると、シボの凹凸感はわずかに変化している


写真右 2023年12月撮影
ただし、ぱっと見ではほとんど違いが分からないものの、革の状態をアップで撮影して確認してみると、新品時にあったシボ革特有の膨らみや凹凸感が、わずかに滑らかになってきているのが分かりました。撮って比較するまで全く気がつかなかったレベルですが、革そのものの経年変化自体は、確かに進んでいるようです。もっとも、色合いは変わらないため、バッグ全体の印象や雰囲気が大きく変化することはありません。
このシュリンクレザーモデルの大人革袋は、革の経年変化を楽しむというよりは、長く使い続けても新品時の風合いがキープできることにフォーカスしたレザーを採用しています。そのため、大人革袋を検討している方は、どのレザーが使われているモデルなのかを必ずチェックしたほうが良いと思います。
新進工房は、同じ製品名でも再販時に異なるレザーを採用するケースが多く、たとえばマテーラレザーのモデルであれば、今回紹介したシュリンクレザーとはまた違ったエイジングの結果になるはずです。
実際に2年間使ってみての感想

さて、実際に2年間使用してみての感想ですが、近所のちょっとした買い物から、仕事、さらには冠婚葬祭まで幅広く対応でき、その汎用性の高さを実感しています。
メンズが使うトートーバックとしては、かなりコンパクトな部類だと思いますが、それでもA4サイズがしっかり収まる容量があり、日常使いとしては必要十分。大きすぎず、小さすぎず、まさに「普段使いにちょうどいいサイズ感」です。
何より革製バックなのに軽い!レザーのトートバッグは、「肩が凝るレベルで重い」ものが多い中、この大人革袋は約500g前後。男性目線では(※1)、かなり軽量だと感じます。
そして、周囲と被らないオリジナリティの高さも大きな魅力。通勤・通学は、右を見ても左を見てもColemanやNORTH FACEを見かける中、こうした「誰も持っていないバッグ」を使える満足感は大きいと実感しました。
※1 ちなみに、奥さんの感想は「やっぱり革は重い!」でした💦 このあたりは、男性と女性で印象が分かれそうなポイントです。
地味に気に入っているハンドル部分

そして、大人革袋で地味ながら特に気に入っているのがハンドル部分。
ここもちゃんと革で作られている上、ありがちなペラッとしたフラットハンドルではなく、ショッパー風というコンセプト通りの「紐風」レザーハンドルになっています。
このハンドルが、厚すぎず、薄すぎず、見栄えとして絶妙なバランスです。革製なのがうれしいし、ちゃんと握りやすい。意外と他のレザーバッグでは見かけないサイズ感だと思います。
惜しい点も
ただし惜しい点もあって、ハンドルの長さが短い。もう少しだけ長くして欲しかった。
肩がけできそうで、できないギリギリの長さなので、あと数センチ長ければ使い勝手はかなり向上したはず。このハンドル長については、後発モデルでは長さが異なるタイプも存在するため、購入時には要チェックポイントです。

また、公式サイトの宣材写真のようにハンドルが自立するわけではないのも残念ポイント。今回レビュー用に撮影したように、2本の上部を少し重ねれば「自立風」にはなりますが、意識してやらないと基本的にはだらんと垂れます。
ハンドルがスッと立つか、垂れるかで見た目の印象はかなり変わるので、ここが自立してくれたら、もっと高級感が増したのにな、というのが感想。惜しさを感じるポイントでした。
確かに大容量だが、入れすぎると型が崩れるジレンマ
もうひとつ、使っていて特に気になった点が、中身を詰め込んだときのバッグの見た目の変化。
確かにA4サイズは余裕で入るし、ホックを外せばさらに口が大きく開き、収納力はサイズ以上。見た目以上に入るバッグであることは間違いありません。
ただし、その反面、荷物を入れすぎると一気にパンパン感が出てしまうのが悩ましいところ。
この大人革袋は、一枚革の本革による上質さや、ミニマルな佇まいが魅力なだけに、見た目が膨らんでしまうと一気に印象が崩れてしまいます。下部がふっくらと広がり、上部がホックで絞られる。いわゆるショッパー風の特徴的なデザインゆえ、荷物が増えると絞られていた部分が押し広げられ、シルエットが変形しやすい構造です。
結果として、「たくさん入るけど、たくさんは入れたくない」という、ジレンマに直面する場面が何度もありました。
例えば、ノートやファイルなど、縦長でサイズ感の揃った荷物が中心であれば、型崩れは起きにくいと思います。
一方で、買い物や仕事用途では、大小さまざまなガジェット、文具、日用品を放り込むことになるため、どうしてもバッグの形が崩れやすくなる。
収納力は十分ですが、美しいシルエットを保ちたいなら入れすぎない使い方が前提。この点は、購入前にしっかり理解しておきたいポイントだと感じました。
まとめ

以上、新進工房「大人革袋」初期モデルを、約2年間使い続けてきたレビューでした。
シュリンクレザーという素材選びからも分かる通り、派手なエイジングや色艶の変化はほとんどありません。その代わり、2年使っても見た目は大きく変わらず、良い意味で「新品時の印象」をキープし続けてくれます。
普段使いから仕事、ちょっとしたフォーマルな場面まで対応でき、「今日もこのバッグで行こう」と手に取れる存在でした。
一方で、荷物を入れすぎるとシルエットが崩れやすいというクセもあります。モデルによりサイズ違い、レザー違いが多数存在するので、その点は必ず事前にチェックした上で検討することをオススメします。
以上です。
おまけの余談
余談だけど、大人革袋を購入した2年前の当時と比べると、新進工房さんの動画や発信の雰囲気は、だいぶ変わったよねーって話。
スタッフの入れ替わりもあったようです。動画や宣材写真を見ていると、なんとなく「あの人いなくなったのかな」と察してしまう瞬間が、ちょっと寂しいね。会社が大きくなれば、方向性の違いや役割の変化が出てくるのは自然なこととはいえ。
僕の新進工房の印象は「HERZ(ヘルツ)のようなレザークラフト工房」でしが、リニューアルしたHPのトップ動画を見ると、今後目指している方向性が明確に打ち出されたムービーだと感じました。そっちか。
ブランドが成長する過程で空気感が変わっていくのは、ある意味必然ですが、なんだか当時のワイワイした雰囲気にノスタルジーも感じてしまいますね。良い・悪いという話ではなく、「フェーズが変わったんだな」という印象。そんな余談でした。













