【レビュー】40周年記念 ゾイド大図鑑を読んだ率直な感想
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行きつけの本屋に突然ゾイド大図鑑が大量に並び、今更ながら購入する事が出来ました。
これはゾイドファンとして発売前から期待していた冊子ですが、Amazonでの評価が予想外に芳しくなかったため、ずっと二の足を踏んでいました。
……が、実物を前にしたらやっぱり買ってしまいましたw
読んだ率直な感想は、巷で言われているよりは楽しめましたが、図鑑というより商品カタログに近いです。詳しくは最後に後述しますが、初代アニメ放送当時に発売された公式ファンブックの旧ゾイド一覧のコーナーを眺めるのが好きだった方なら満足出来ると思います。あれが全シリーズ分ひたすら続くイメージです。そのため資料集として考えると色々と惜しい仕様です。
掲載内容
内容については下記の通りです。
- 第1期シリーズ(メカ生体ゾイド)から最新のAZシリーズまでのゾイドキット紹介
- カスタマイズパーツやコレクションシリーズ等のサブアイテム紹介
- スケッチ&開発画稿
- タカラトミーZOIDS開発者インタビュー
となっています。
このうち「スケッチ&開発画稿」と「タカラトミーZOIDS開発者インタビュー」の内容は個人的には大満足でした。
惜しいのはそれらのページは巻末付近でようやく登場するため、ページ数が少ないという点。40周年の記念冊子なんだから、むしろこのあたりの資料をもっと充実させて欲しかったです。
肝心のキット紹介が色々と惜しい
さて、ここからが本題ですが、肝心のゾイドキットの紹介部分について、巷では色々と意見が出ています。
読了後、一通りレビューを読みましたが、ゾイドファンとして僕も同意出来る意見もありました。
以下に私の感想をまとめます。
コマ割りの一部に不満。2000年版デスザウラーの紹介がゲーターと同じサイズw
ゾイドを紹介する写真は、おおよそはキットのサイズに合わせ、小型ゾイドは小さく。大型ゾイドは大きくコマが割かれています。A4サイズの冊子なので、小さい写真でもそこそこのサイズはあり、小型ゾイドでも細部まで鮮明に確認出来ます。この点は良かったです。
が!そのキットサイズの法則はページによって突然変わります。大型ゾイドなのに小さいコマに割り当てられているものも多々あり、そうなると細かいディティールはほとんど見えません。掲載がキットの発売順になっている都合上、上手くコマ割りが収まらなかったのでしょうか。
例えばアニメ世代である僕は、最終兵器「ウルトラザウルス」やラスボス「デスザウラー」には大変な思い入れがありますが、これらのキット(※1)の紹介は、当時660円の小型ゾイド、ゴドスと同じサイズですw ちなみにそれはガイサックやモルガ以下のサイズですw なんでや!😂
※1 第2期シリーズ(新カラー)版
ゾイドは知らないけどガンダムなら知ってるよ!という方向けに解説すると、例えるならザクレロの紹介に全15段を割いた一方、ジオングはドップと並べて5段1/2程度で済まされてるみたいな。大げさに例えるとそんなカンジ。
ゴジュラスやアイアンコングは第1期版・第2期版ともに大きく掲載しているのに。。というか表紙に使っているデスザウラーだって第2期版ですよコレは。それなのに紙面での扱いは最小。隣のコマのゲーターと同じサイズで紹介されてるのは流石に納得がいかないデス。
1機につきもう何枚か写真が欲しかった
写真は基本的に1機につき1枚で、たまにパッケージ写真がプラス1枚追加で掲載されていました。
第2期シリーズ以降は見慣れた宣材写真が多い一方で、第1期メカ生体ゾイドは……撮り下ろしでしょうか?アングルが全て統一されているので新しく撮った可能性があります。これは個人的にはGOODでした!見慣れた宣材・パッケージ写真ではないため、新鮮な気持ちで見る事が出来ます。
ただしそこは人によって意見が割れているようで、資料集として考えるなら当時の写真であるべきという意見も。確かにそれもわかります。
全機体に「当時の宣材写真」と「新規撮り下ろし写真」がセットになっていれば良かったのになと思います。記念冊子としてそういう比較があると面白かったのでは。
ゾイドの紹介文が「玩具」としてだったり「劇中設定」だったりと一貫性が無い
ゾイドの紹介文は、コマサイズにもよりますが大体約70~90文字前後の簡潔なものとなっています。
気になったのは、この紹介文が機体によって「玩具キットとしての説明」だったり「ゾイドストーリー上での機体解説」だったりと一貫性が無い点です。執筆者が違うのだろうか。僕もホビーレビューをすると、劇中での活躍と玩具の解説が結構ごっちゃになるので、書き手の気持ちはわかりますが……。
どうせ限定販売やスペシャルカラー商品はキットとしての説明しか出来ないのだから、全機体を「玩具キットとしての説明」に統一するべきだったのではないでしょうか。
その上でキットのサイズや、販売価格等の詳細データも掲載してくれれば尚良かったなと。過去と現在のキットで色々と比較も出来て、時代の流れ・歴史を感じることが出来たのではないでしょうか。
掲載漏れ。マスターピース何処行った?
掲載ゾイドにいくつか抜けが確認出来ます。
一番わかりやすいところでは、AZシリーズの前身とも言えるマスターピースシリーズが一切載っていません。
読み飛ばしたのかと思って何度もページを確認しましたが、マスターピース版のシールドライガーとセイバータイガーは本当に何処にも見当たりません。AZシリーズはあるのに何故??
AZブレードライガーの解説文にMPZシールドライガーへの言及があるので、未掲載なのは漏れではなく意図的な判断だと思いますが、一体何故。。ゾイドの歴史を辿る記念冊子のはずでは?
その他にも一部の限定キット等の掲載が無いようです。僕は海外カラー版のセイバータイガー(スラゼロのタイガースカラーみたいなやつ)を持っていますがそれも無いような?もう一度目を皿にして探してみますが。
それと地味に誤植もある模様。カスタマイズパーツ紹介の「マニューバースラスターユニット」の解説が間違っています。ビームガトリングセットの解説と全く同じ文章になっているので多分コピペミス。本当はアイアンコング用のカスタマイズパーツです。
結論。令和時代にゾイドのファンアイテムが出てくれた事は嬉しい。けど色々惜しかった。あと高い。
以上、ゾイド大図鑑を読んだ、僕の率直な感想でした。
令和時代に歴代ゾイドが一覧出来るファンアイテムが出てくれた事は素直に嬉しいです。けど色々と惜しい一冊でした。
繰り返しになりますが資料集というよりは歴代ゾイドのカタログに近いです。そう考えると約5000円という価格はまあまあ高いかなと思います。
そこでこの感想をもとに、この本をオススメ出来る人を考えてみました。
公式ファンブックの旧ゾイドコーナーを思い出す
このゾイド大図鑑を読んで、僕が真っ先に思い出したのが、最初のアニメ放送当時に発売された公式ファンブックです。
99年に復活したゾイド、いわゆる第2期シリーズ世代、もしくは初代アニメ世代と呼ばれる僕にとって、バイブルでもあるこのファンブック。この巻末あたりに第1世代の旧ゾイドがずらっと一覧で載っていた事を覚えていますでしょうか。
僕、あの旧ゾイド一覧を眺めるのが大好きだったんですよ。「自分が見たことがない」「もう手に入らない」ゾイドを眺めるのが。
本の前半に載っているバトルストーリーはコロコロで既に何度も読んでいたし、パッケージのジオラマ写真も、ほぼ全キットを買っていたので見慣れたものばかり。そのためあの一覧ページはとても新鮮な気持ちで楽しめた事を今でも思い出します。あれが全シリーズ分、楽しめると考えてもらえば良いです。
そうなると、当時の僕と同じような、現代のゾイドにハマっていて過去の旧ゾイドを見てみたい子供(お父さんに買ってもらいなさい)。もしくは当時あのファンブックの旧ゾイド一覧コーナーを楽しめた人なら、この大図鑑も満足出来ると思います。写真もあれよりは遥かに大きいので。
以上の解説でゾイド大図鑑に興味が出た方は、Amazonに何ページかサンプルが掲載されているので是非確認してみてください。ほぼ全編にわたってサンプルと同じような構成なので、大分この本のイメージが湧くと思います。