紙の保険証の新規発行が散々騒がれた末に、結局廃止されました。今手元にある現行の保険証は原則まだ利用可能とはいえ、いずれは完全に切り替わる予定。
一応、資格確認書という代替措置はありますが、どうせ今後はマイナ保険証前提であらゆる制度が設計されていくんだろうなと感じます。今のうちに使い方を覚えておかないと、後々面倒なことが増えそうです。
そんな折、この年末に家族揃って風邪を引いてしまい、何度か病院に行く機会がありまして、せっかくなので、これを機に「マイナ保険証」を使ってみるかと、ようやく重い腰を上げた次第です。
事前準備:マイナポータルで保険証を連携
んで、以前から「マイナンバーカードが自動でそのまま保険証になるわけではない」という話はなんとなく知っていました。「マイナポータル」というサービスで連携が必要らしい。
どうも病院でやる方法もあるらしいですが、どうせ端末は1台しか無いだろうし、長々操作して後ろに行列なんて作ったら顰蹙モノなので事前にやっておくことにしました。
でも、具体的な手順は全く知らないので、まず公式サイトで調べるところからスタート。
マイナポータルのウェブサイトへ
というわけで、まずデジタル庁のウェブサイトを開きます。
参考
マイナポータル | デジタル庁 ウェブサービス・アプリケーション
https://services.digital.go.jp/mynaportal/
早速ログインが前提のUIになっていますが、そもそも登録した覚えはない。
そこでまずは登録方法を確認することに。どうやらマイナンバーカードと、カード作成時に設定した「4桁の暗証番号」が必要とのこと。お、覚えてない。。家から書類を引っ張り出して、ようやく控えの書類を見つけました。
ちなみに後述しますが、この4桁の番号、マイナ保険証を使うときには絶対に頭の片隅には覚えておいたほうが良いです。
最悪の場合、詰むし、なんとなくで覚えていて間違った番号を入力したら、さらに面倒くさいことになります。要注意です。
スマホから登録した方がラクそう
さて、話はマイナポータルの登録に戻りますが、僕は世代柄もあって、こういう登録作業はPCからやる派。
ですが、PCサイトの場合はマイナンバーカードの読み取りにICカードリーダーが必要と書いてある。うわメンドクサ。そんなデバイス、持っているわけがない。
他にもスマホのアプリ経由でQRコードを読み取る方法もあるらしいが、だったら登録自体を最初からスマホからやったほうが早い。スマホにはNFC機能があるため、実質ICカードリーダー代わりに使えるはずです。
マイナポータルアプリをインストール
というわけで、まずは「マイナポータルアプリ」をインストールしました。Google PlayやApp Storeで「マイナポータル」と検索するとすぐに見つかります。
ちなみにアプリと言っても、ログイン後は結局ブラウザでhttps://myna.go.jp/に飛ばしているだけっぽい(※2024年現在)。
だったら最初からウェブサイトにアクセスして、ログインしても変わらないかも(アプリの意味は?)
まあ手順はシンプルで、
アプリ操作手順
- 4桁の暗証番号を入力
- スマホにマイナンバーカードをかざす
- 画面の指示に従って健康保険証の連携申請する
たったこれだけです。もっと氏名やら住所やら。果ては会社名や保険組合の入力などが必要なのかなと思っていましたが、意外にも簡単。全体で数分で完了しました。
審査に時間がかかるのかと焦ったが取り越し苦労
少し焦ったのは、連携が即時反映されると思いきや、「申請中」という画面に切り替わったことです。
「え?すぐに使えるようになるわけじゃないの?」と戸惑いました。この後すぐ使う予定だったので、ちょっと焦りました。
スマホのSIM契約の本人確認みたいに「営業時間内に審査が進む」パターンかと心配しましたが、実際にはその後すぐに「連携済み」に切り替わったので問題なかったです。ひと安心。
これでマイナ保険証の登録は完了。いつでも使えるようになりました。
実際に使ってみた感想。カードリーダーの機種が病院や薬局ごとに異なるので、微妙にやり方が違う
さて、ここからは実際に病院と薬局の2箇所で使ってみた感想です。
病院(薬局)ごとにリーダーの機種が異なる
まずカードをリーダーの指定位置に設置し、固定します。ただし、カードの向きが違うとエラーに。あれ、さっきはこの向きだったはず……と思ったところで、「あー、これが例の噂のやつか」と感心してしまいました。
噂には聞いていましたが、カードリーダーは病院ごとにも薬局ごとにも異なるため、手順も微妙に違うようです。病院に行ったらそのまま薬局に行く流れが普通なので、早速端末の違いに遭遇することに。
「ケース外して」 → 無視してそのまま認証(一応、通った)
面倒だったのは、「カードケースを外すように」と指示されること。マイナンバーカードにはケースがデフォルトで付いてくるくせに、外す前提の設計なの?メンドイなぁ。
ということで、無視してケースを付けたまま置いてみたところ、普通に認証しました🙆♂️ もしダメだった場合は観念して外しましょう。
何度もデータ共有を求められる
それから、さっき病院で色々とデータ共有に同意したのに、薬局でもまた同じように同意を求める画面が表示されました。ちなみに後日談ですが、別件で違う病院と薬局に行った時も、そこでもまた同意を求められました。
これって一括で事前に同意しておくんじゃなくて、相手ごとに個別で同意が必要ってことなんですかね? これまたメンドイなあ。多方面の意見に配慮した結果、とにかく面倒くさくなっている印象です。
そもそも薬の飲み合わせチェックとか、そういうものを確認するためのデータ共有なんだから、素人が自己判断で勝手に「これは許可」「これは拒否」なんて設定したら意味無いと思うのだが。
基本的には「全部許可」か「全部拒否」かの一択になると思うのですが、どうなんでしょうね。
顔認証が失敗したら4桁の暗証番号が必要。これを間違えると超面倒くさい事になる模様
もう1つ懸念に思ったのが、カードを設置した後の本人認証。
「顔認証」か「4桁の暗証番号認証」のどちらかを選べます。当然、顔認証のほうが楽です。
顔認証の初回失敗率が高いのはなんで?
ただし、顔認証がうまく読み取れず、失敗を繰り返す場合があります。端末の精度がどの程度なのかは知らないけど、ぶっちゃけ1回目は高確率で失敗する印象。なんだこれ。コツとかあるのかな?
リーダー側の問題なので、こちらではどうしようもありません。
んで自分はなんとか顔認証でパスしたんだけど、うちの奥さんが行った病院は、何度やってもダメだったらしい。
そういった場合は4桁の暗証番号で代替するわけですが……この番号、みんなちゃんと覚えていますか?
4桁の暗証番号は絶対に覚えておく
なんとなくで覚えていて「もしかして、あの番号かもな~?」なんて軽いノリで試し打ちをするのは絶対にやめた方がいいです。これ3回連続で間違えるとロックされて使えなくなります。銀行かよ。
しかも、日数経過によるリセットもなく、エラー回数はそのまま蓄積され続けるらしい。
諦めて紙の保険証で代替したら、エラー回数は蓄積されたまま
例えば2回間違えた段階で諦めて「紙の保険証」で代替した場合は、エラー回数は蓄積されたまま。また次回来院時は残り1回からのスタートです。一応、その後にマイナ保険証の認証が通ればリセットされる……らしい(未確認)。
今は紙の保険証で対応できますが、これが完全に切り替わった後、顔認証が通らず暗証番号も分からないとなったら、どうなるんでしょう?
少なくともその日は保険証としては使えないわけだから、一旦全額負担して、後日払い戻しになるってこと?いや、メンドクサすぎるだろ……。こういう事態があちこちで発生しそうな気がします。
僕は直前にマイナポータルで連携したばかりだったので、辛うじて覚えていましたが、人によってはこれ、詰むパターンもあると思いました。
顔認証が通れば良いだけだが、何故かエラーが多い印象
顔認証が問題なく通れば、番号を使う機会はありませんが、正直、読み取り機の精度次第というか、いつも問題ない病院と、顔認証に失敗する病院がハッキリ分かれている印象。たぶん機器側の精度の問題でしょう。
価格差による性能の違いなのか。ケチって安い機器とかあるのかな?……しらんけど。もしくは単純にメンテナンスの問題か。でもメンテナンスとか義務付けられてるんじゃないの?なんか病院側も費用が大変だ云々の記事見たぞ。
音とか完了画面が欲しい
これは、機器によるのかもしれませんが、僕が使ったマイナ保険証の読み取り機は、一連の操作が終わっても完了画面や音の案内が一切なく、ノーリアクションで最初の画面に戻りました。めちゃくちゃ分かりづらいです。
何個プロセスがあるのか、何が最終画面なのかこっちは知らないんだから、急にトップ画面に戻ったら成功したのか失敗したのか全然わからないんですよね。
もう少し分かりやすく改善してほしいものです。
まとめ
初めてマイナ保険証を使ってみた感想としては、こんなところでしょうか。
処方薬の履歴や医療費の確認がマイナポータルからできる点は便利だと思いますが、もともとお薬手帳アプリを使っていた自分からすると、今のところ大きな差は感じません。助成金や手続き関係が楽になるらしいので、真価が発揮されるのはもう少し先かも。
むしろ気になったのは、マイナ保険証そのものよりも院側の読み取りリーダーの精度。カード設置時や顔認証の失敗率の高さなど、使い勝手にはまだまだ課題を感じます。
もし認証にコツがあるなら、メーカーなり院側で提示してくれと思います。顔の角度とか目線とかね。