薔薇の正体はトンガリ帽子。
ガンダム新作『機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)』の第9話「シャロンの薔薇」の感想です。
今回ついにあのララァが登場。そしてシャロンの薔薇の正体が、まさかの「◯◯」だったことが判明。さらに、たびたび言及されていた「向こう側」とは、我々がよく知る“あの”宇宙世紀のことだった……?
ガンダムファンは絶叫し、初見組はポカーンな展開続出の衝撃回を、ネタバレありで振り返ります。
幽閉→脱走→幽閉→脱走→幽閉 ※これ全部1話の中です
今回は、「ソドン」に幽閉されたマチュが脱走して地球に降り立ち、そして「とある少女」と出会う……いうのがメインの流れ。が、相変わらずの超駆け足展開。
なんと今回の1話の中だけで、マチュの状況は「幽閉→脱走→幽閉→脱走→幽閉」と目まぐるしく変化。赤い彗星もびっくりの3倍のスピード感です。
まあ一応、地球に降りてからの目覚めはララァによる「保護」ともいえるけど。とはいえ結局、管理している館はジオンへの手土産にするつもりなんだから同じだよね。
物語はまず、マチュの「ソドン」からの脱走シーンから始まり、その後少し時系列を巻き戻して、幽閉中の様子が描かれます。
シュウジの“キラキラ”に惹かれてクランバトルに飛び込み、最終的にはテロリストとして指名手配されるに至ったマチュ。全てを失った独房の中で深く反省し、後悔の念に押しつぶされ……ていたのもの一瞬。結局、頭の中はシュウジでいっぱいな様子。反省の色なし。ダメだこりゃ。
しかも、もう「キラキラ」に惹かれているのではなく、完全に“シュウジ”本人に恋してる様子。シャリア・ブルによる尋問中もとにかく情報を探ってはシュウジの行方を気にする始末です。
一方のシャリア・ブルは、ニュータイプとして格の違いを見せつけ、マチュの内心は、ず~っと全てお見通しの様子。ペガサスかあんたは(マインド・スキャン!)。もしくはマオ?
なんだかジークアクスにおけるニュータイプ描写、完全に心を読む“エスパー”寄りになってきてますね。人の革新って、そんな単純な能力の話だったっけ……?
まあとにかく、そんな尋問を経て、マチュはシャリア・ブルに「わざと」泳がされる形でソドンを脱走。地球に不時着し、とある館に保護されるのであった。
ついにララァ登場。「向こう側」とはあの宇宙世紀!?
そしてBパート。ついに、ニュータイプの象徴的存在、ララァ・スンが登場!予告で匂わせはあったけど、実際に出てきたときは「あ、ホントに登場するんだ」と声が出ましたね。
初見組には伝わらないかもしれませんが、ガンダムファンからすれば、ララァはアムロやシャアと並ぶニュータイプの原点。宇宙世紀の世界において最重要人物と言っても過言ではありません。その後の続編でもアムロもシャアも、本当に最期の最期まで彼女の影をずっと引きずることになる。取り憑かれていたと言っても良い。それぐらい2人にとって、ララァとの出会いと別れは、大きいものだった。
そんなララァですが、このジークアクスの世界線においては、シャアに拾われておらず、“とある館”で奉仕する一介の少女という立ち位置に留まっていました。
しかしやはり物語のキーパーソンであることは間違いなさそう。
ララァは「向こう側」の夢を見る、と。そしてその夢の内容がどう聞いても、我々が知る宇宙世紀。
え、「向こう側」って、シンプルにあの宇宙世紀のことだったの……?
3話でこのワードが出てきたときに、当然その線も考えましたが、まさかの直球でした。意外すぎる。
エヴァみたいに「正解が語られない系」かと思っていたので、「え?意外と直球でシンプル」という驚き。
ただし1つだけ気になる点が。
ララァの夢に出てくる“彼”は、明らかにシャア。そんな彼は連邦軍の白いMSと戦って命を落とすとのこと。これはどう考えてもガンダムとアムロの事ですが、ファーストでは、シャアは死なないし、続編でもアムロに直接葬られたわけでもない。
逆シャアのラストシーンをある意味でそう解釈する事は出来なくもないけど、そういう風には聞こえず、直接手をかけられたかのようなニュアンスでした。ここが引っかかる。
その正史との違いに、シュウジあたりが絡んでくるんじゃないかという気もしてます。
薔薇の正体はトンガリ帽子エルメスだった!!
そしてラストに衝撃の展開。
長らく謎に包まれていた「シャロンの薔薇」の正体が、まさかの「エルメス」だったことが明かされます。
宇宙世紀の正史におけるララァ専用のモビルアーマー。これは予想外すぎた。
しかもこのエルメス、ジークアクスの世界線では本来製造されなかったはずの機体のようで、「向こう側」、つまり我々の知る「あの」宇宙世紀からやってきたことが示唆されます。
ついに我々の知る宇宙世紀と、このパラレルのようなジークアクスの宇宙世紀が、物理的に繋がっちゃったよ!!2つの世界が同時に存在している!?
そんな衝撃と共に、マチュは再びソドンの独房の中へ幽閉され今回の話は終わりです。
いや~、物語が大きく核心に迫った第9話でした。一方で、内容はどんどんガンダムファン向けに振り切れてきた印象です。
とはいえ、そもそもこの作品は深夜枠。ターゲットも前作の水星と異なりコア層と考えると、むしろここからが本領発揮なのかもしれません。
そして次回予告では、いよいよ満を持してギレンが登場。ジオンの内ゲバもいよいよ佳境に入るのか?