この同人ガンダム、さすがに欲張りすぎだろ!
ガンダム新作『機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)』の第11話の感想です。
まず最初に一言。
「EDでTMの『BEYOND THE TIME』が流れながら、“RX-78-2 ガンダム”が颯爽と登場するシーン」
嫁と一緒に見ながら本気で腹筋崩壊しました(笑)。
字面だけ見ると完全にネタ書き込みにしか見えないけど、一言一句、全部事実というのが『ジークアクス』という作品の恐ろしさ。
ということで「エヴァ」あり、「Z(ゼータ)」あり、果ては「逆シャア」まで飛び出してくる、なんでもアリの欲張り同人の第11話を、ネタバレありで、振り返っていきます。
見てるこっちが恥ずかしくなってくる
今回はいよいよ物語もクライマックス!
シュウジを巡ってのマチュとニャアンの恋のバトルも大詰め……なんて展開は微塵もなく、今回の話を要約すると、
Aパート
- ニャアンどいて!槍を抜けば世界は救われる!
- ブラウ・ブロ強すぎワロタ
- カミーユもシロッコもハマーン様もいないZガンダム劇場開幕。ハマーン様の代役はキシリア
Bパート
- シャアに抱きしめられて赤面のマチュ。イケオジに迫られるといつも照れちゃう(エグザべくんだけアウトオブ眼中)
- シャア変身!ムーン・クリスタルパワーーー!メーーイクアーーップ!!!
- セントラルドグマで引き起こされるフォースインパクトこと4回目のゼクノヴァ。そして突然リツコポジションで解説を始めるコモリ少尉。誰か和太鼓持ってきて!
- ついに真打ち・シュウジが帰ってきた! 「この世界を終わらせる」 ゑ?
- 極めつけに『BEYOND THE TIME』流れながら、RX-78-2ガンダム、堂々見参!
・・・・・・俺はいま一体何を観ているんだ……?(先行1話からずっと)
でも、全部事実。詰め込みすぎだよこのクロスオーバーガンダム。
なんだろう。脳内で編み出したオリキャラが、有名作のレジェンドキャラと勝手に共演して、やりたいことをぜーんぶ詰め込んだ同人アニメの大発表会を、視聴覚室で見せられてるような気分。
もう、マチュとシャアが「君はたしかガンダムのパイロットだったな」みたいな会話してるだけで、見てるこっちがこそばゆくなってくる。
いや、決してネガティブな感情じゃないよ?? むしろ「今、ガンダムの歴史に残る凄い作品見せてもらってる」という気持ちすらある。
ただ、こみあげてくるのは、ウズウズしたこそばゆさというか。。
これ、ガンダム初見組には伝わらないよね。。この作品の評価は、初見組と既存ファンではメチャクチャ乖離しそうです。
ラスボスはシュウジ?シャア?
マチュ・ニャアンと共闘するのはどっち?
前回登場した“2丁の拳銃”は、それぞれの役割をしっかり果たしましたね。
なんかネットでは、コードギアスよろしく「マチュ vs ニャアン」の“スザクゥゥゥ!ルルーシュゥゥゥ!”展開を予想する声も多かったようですが、さすがにそんな単純な構図にはなりませんでした。
マチュは、ジークアクスに搭載されたオメガサイコミュのリミッターを拳銃で破壊。それによって、時間凍結されたララァに干渉できるようになったと。でも結果的にそれが、フォースインパクトこと4回目のゼクノヴァの引き金になってます。ヒゲマン、責任取ってくれ。
そしてニャアン。キシリアに銃を向けられたマチュをかばい、とっさにキシリアを撃ってしまいます。一瞬の判断で「友達」を守った、その行動は本能的で、もうこれ仲直りルート確定なのでは?
そしてついに登場、キラキラの向こう側から戻ってきたシュウジ。
ようやく明かされる、彼のたったひとつの願い。それは、“ララァに傷ついてほしくない”。あ、それだけ? それがすべてだったの?
シイコさん、今際の際で微笑んでたけど、「女の子を守りたいなんて、坊やも男の子だね♡」ってことですか??
そして明かされる、もうひとつの使命、「この世界を終わらせる」。ゑ?
ラストで向こう側の世界からRX-78-2ガンダムが登場したけど、あれに乗ってるの、シュウジなの? 君がアムロ枠なの? それともただ最後のシ者を召喚しただけ?
いずれにせよ、君がこの世界線を終わらせようとしているなら、作中のみんなは、それを止めるしかないよね。
となると、最終回はマチュ・ニャアン・シャアの3人で共闘して、ラスボス・シュウジに挑むって展開になるということ?
それとも、ララァのためにマチュ・ニャアン・シュウジが手を組んで、シャアに闘いを挑むの?
これ、一体どっちに転がるんだ??
エグザベくん、もう君しかいない
この全員が次に何をしでかすか分からない、狂った狂騒劇の中で、ただ一人。
最初から最後まで「常識人枠」を全うしているのが、エグザベくんです。
この作品の良心は君だけだよ。君だけが、フツーの一般人として状況に翻弄されながらも、自分の仕事を健気に全うしようとする、王道のキャラクター。そして視聴者と同じ目線に立てる、数少ない男。
……え?フラナガン・スクール首席卒業のニュータイプ?
すまん、このクライマックスに際しても、尚、そうは見えんなぁ。
むしろ君は、ヤザンやラウ・ル・クルーゼのように、フツーの人間でありながら「その域」に到達した、最強のオールドタイプなんじゃないか?
君が乗りこなすギャン、最高に格好いいぜ!
ということで、登場人物全員、破滅的な自己中ばかりの中、君だけは視聴者も納得するような選択を、何か取ってくれるんじゃないか?
ララァでいっぱいいっぱいのシャアに代わり、いまやキシリアの命運を握っているのは君だけだ、エグザベくん。
来週、色々と期待してるよ!
「全部無かったことに」エンドだけはやめてくれ
ということで、制作陣の「やりたいこと全部盛り」が炸裂した第11話でした。これでもかってくらい、もう詰めて詰めて詰め込みまくった、まさに超欲張りセット。こんな濃密な同人ストーリー、公式がやっていいのか!? ってくらいの内容。
そして次回、いよいよ最終回。
ここまでやりたい放題やっておいて、収拾をつけるために最後は「シュウジが世界線を書き換えて、全部無かったことになりました」なんて展開だけは絶対にやめてよね。「もしもあの改札の前で立ち止まらず」的なやつ。
いや、たしかにララァという特異点から生まれた、この異常な世界線が修復されることは、ハッピーエンドなのかもしれないけど……でも、この世界の選択を無かったことにはしてはいけないでしょう。ね?
エル・プサイ・コングルゥ。