手のひらサイズのハイクオリティフィギュア。
今回は「激造シリーズ 歴代ゴジラ・怪獣編 Part.1」よりゴジラ(1989)のレビューです。
【激造シリーズ】歴代ゴジラ・怪獣編 Part.1 ゴジラ(1989)

商品名 | 【激造シリーズ】 歴代ゴジラ・怪獣編 Part1 ゴジラ(1989) |
形式 | 彩色済み トレーディングフィギュア |
高さ | 全高:約9㎝ |
価格 | 2,860円(税込) |
発売元 | 株式会社プレックス(販売代理店:株式会社アートスピリッツ) |
主な登場作品 | ゴジラvsビオランテ(1989年映画) |
一昨年にレビューした、ゴジラの激造シリーズ Part1。今回レビューする個体は2025年再販版の「ゴジラ(1989)」です。
再販版は2023年発売版と塗装などの仕様が異なる可能性があるので、ご留意ください。詳しくは初ゴジで比較した以下の記事よりどうぞ。
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ゴジラ(1989)の全身のプロポーション

正面から見た全身のプロポーションがこちら。
フィギュア全体の印象としては、非常に丁寧で、バランスの良い造形だなと感じました。
筋肉質で引き締まったボディラインは、VSシリーズのゴジラのイメージにぴったり。この真正面からの角度が個人的に一番気に入っています!

激造シリーズは約9cmという小さなサイズながら、細部まで緻密に造形されているのが特徴。
塗装に関しても非常に丁寧に塗り分けされています。




カラーがちょっとグレー寄りで明るすぎるかも

一方、カラーリングについてですが、全体的にかなり明るめのグレーで仕上がっており、この点に関しては正直ちょっと違和感がありました。ビオゴジといえば、もっと黒に近いダークなトーンの印象が強いんですよね。
こんなに明るい色ではなかったと思うので、劇中のイメージとは少しずれている気がします。
ゴジラ同士でプロポーションを比較

同じ激造シリーズの『ゴジラ(1954)』と並べて比較してみました。
こうして見ると、VSゴジラは全体的にかなりスマートです。1954年版のどっしりとしたシルエットとは対照的です。

一方こちらは「HG D+ ゴジラ02」に収録されている同じビオゴジ(ゴジラ1989)での比較です。
同じ作品に登場するゴジラですが、こうして並べると造形のアプローチがかなり異なっていて面白い。単なる価格差によるクオリティの違いというよりも(その要素がゼロとは言わないけど)、表現の方向性の違いが際立ちます。
造形のディテール、細かさでは激造の方に軍配が上がりそうですが、たとえばスーパーXIIと対峙する海上シーンのような、目元が影に沈んだ“ベタ影”の表現は、HGの方が劇中の雰囲気に近いと感じました。
ここまで造形が違っていても、どちらを見ても、ちゃんと「ビオゴジ」だと認識できるのが面白いところ。表現の幅を感じられる、良い比較だと思います。
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各部ディティール

ここからは各部の造形をアップでチェックしていきます。
顔面


まずは顔のアップから。
まさにVSゴジラといった雰囲気です。牙や舌も細かく塗り分けされていてGOODです!
やさしそうな目つき?

目元の印象が劇中とは少し異なるかもしれません。
アップで見ると、どことなく“やさしさ”を感じる目元をしています。おそらくこれは、黒目部分の塗装の影響が大きいと思います。
とはいえ、ミニフィギュアとして棚に飾って普通に眺める分には、特に違和感はありません。あくまで至近距離でじっくり観察したときに気づく程度の違いです。

この激造ゴジラは「VSゴジラ」として見れば、まったく違和感のない造形ですが、「ビオゴジ」に限定して評価すると、印象が分かれるかもしれません。
というのも、ビオゴジは登場シーンによって顔の印象がかなり変わります。個人的に一番印象に残っているのは、もっとゴリラ感が強くて野性味のある顔立ちです。
HGとの比較でも触れましたが、特にスーパーXIIとの対決シーンのビオゴジが、最もゴリラっぽい顔つきをしていて印象的。個人的には、あの顔の方がより好みではあります。

牙については非常に細かく造形されており、塗り分けも丁寧。激造シリーズならではのこだわりがしっかりと感じられます。
背びれ・尻尾


腕・足



スマートな関節ですが、個人的に関節まわりは、もっと“だるさ”があっても良いとは思いました。まあ違和感を覚えるほどではありません。シャープな造形で、細部までしっかりと作り込まれています。
爪の塗装に関してもムラ、はみ出しもほとんど見られず、良い仕上がりだと感じました。
別売りの「激造EX ビオランテ」と同スケール


ちなみにこのゴジラ(1989)は、別売りの「激造EX ビオランテ」とスケールが揃っているのも大きな魅力。実際に並べて飾ると、劇中の対峙シーンを想起させる迫力あるディスプレイが可能になります。
サイズが揃っているため、ビオランテの巨大さがより引き立つ構図になり、VSシリーズとしてのコレクション性が一段と高まります!劇場ポスターの構図にも近いため、ファンならやはり揃えたくなるところです。
まとめ


以上、「激造シリーズ 歴代ゴジラ・怪獣編 Part.1」より「ゴジラ(1989)」のレビューでした。
全体として非常に完成度の高いミニフィギュアです。個人的にはもう少しゴリラ感が欲しかったのと、カラーがやや明るめすぎる点が少し気になりましたが、棚に飾る分には不満は全くありません。約9cmというサイズ感でここまでの再現度を誇るのはやはり見事です。流石激造。
HGシリーズが追いつきつつある
ただ、同ゴジラミニフィギュアの人気シリーズである「HGシリーズ」が、近年サイズアップを重ね、同スケールになりつつあり、徐々に激造シリーズとの差が縮まりつつある印象も受けます。
特に昨年登場した「怪獣総進撃編 ゴジラ(1968)」は、完全に同スケールかつ、あまりにもハイクオリティな仕上がりだったので、緻密な造形である激造シリーズの強みが薄れつつあるかも。価格差は約5倍ですから、その分の満足感が提供できるかが課題になりそうです。
そして、Part.1の発売から時間が経っているにも関わらず、いまだに再販が続いていて新作の動きが見えないのも少し気がかり。Part.2の展開を期待したいところですが、情勢的に価格上昇もありそうでちょっと怖い。そうなると、ますますHGシリーズとの比較はシビアになってくるかもしれません。最近のHG、本当にすごいからね。