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公開日:2024/12/15

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【総括】ドラクエ3リメイクをクリアした感想。SFC世代の本音レビュー

ドラクエ3リメイクをクリアした率直な感想。SFC世代として感じた良い点と、残念な点を正直にレビュー。オープニングのカットや戦闘演出について、過去のSFC版と比較しながら、リメイク版の魅力と改善点を掘り下げます。

ドラクエ3リメイク、今月の頭にクリアしました。

プレイ時間としては、前回の記事から約2週間程度。寝る前に少しずつ進めていたので、テンポよくクリア出来た印象です。現在は「しんりゅう」などのやり込み要素に挑戦中。

前回の記事では、とりあえずプレイ開始1時間のファーストインプレッションを中心に語り、追記としてダーマ神殿到達までの感想をお届けしました。

今回はクリア後の総評として、一通りプレイして感じた良かった点、そして正直に言うと残念に思った点について感想を述べたいと思います。

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ドラクエ3リメイクをとりあえず1時間遊んでみた感想

(2024/11/17 追記あり)ついに発売されたリメイク版ドラクエ3を、とりあえず1時間遊んでみたファーストインプレッション。文字が小さいなど色々とUI面に調整不足を感じる場面も。実際のプレイを通して感じた感想をお伝えします。

前回の記事、プレイ開始1時間のファーストインプレッションはこちら。

本題の前に、僕のドラクエ歴

ちなみに、僕のドラクエプレイ歴は前回の記事でも触れた通り、ナンバリングタイトルは「X」以外、すべてプレイ済み。「III」はSFC版の世代で、SFC版→GB版→FC版の順でプレイしてきました。

一番好きな作品は「V」(断固フローラ派)。ドラクエとして大きく様変わりした「XIII」より以前の、旧スタイル(ここではクラシックスタイルと呼びます)では、SFC版の「III」とPS2版の「V」が到達点であり、完成形だと考えています。

そのため、クラシックスタイルを採用した今作「ドラクエ3リメイク」の評価は、これらの2作との比較が中心になると感じています。

遊びやすさは素晴らしい

まず、誤解のないように先に言うと、ドラクエ3リメイクは十分に楽しませてもらいました

現在もやり込み要素をプレイ中で、ゲームとしての完成度には満足しています。僕はSwitch版を購入したので、寝る前の習慣として、布団の中で携帯モードでコツコツ進めるのが日課になっています。

このドラクエ3リメイク、遊びやすさは歴代のドラクエナンバリングタイトルの中でも素晴らしい。本当にサクサク進むうえ、次の目的地が明確にマップに表示されているため(ゲームデザインとしての賛否はあるにせよ)、迷うことがなく、ストレスフリーな設計になっています。

RPGの肝であるレベル上げについても非常に快適。戦闘後は「ほぼまんたん」機能でボタン1つで即回復が出来るうえ、レベルアップ時にはHP/MPが全回復するため、いちいちMPが枯渇して宿屋まで撤退する回数が激減。

さらに撤退で使用する「ルーラ」の消費MPはなんと0(!)になり、それどころか使用制限も撤廃。洞窟内や天井のあるエリアでも気軽に使えるようになったため、レベル上げのストレスが大幅に軽減されました。リレミトも真っ青ですよ(これじゃもう誰も使わないだろ)。

ここから本題

さて、遊びやすさ自体はピカイチのドラクエ3リメイクですが、ここからはSFC世代の自分が感じた率直な感想に入ります。

まず断っておきたいのは、この感想には「III」をSFC版世代として遊び、それを傑作だと考えている自分のバイアスが大きく影響していることはご承知願いたい。もちろん思い出補正もあります

ただ、同じゲームを題材にしている以上、過去作との比較は避けられない部分だと考えています。

プレイ開始直後と同じ感想。やっぱりオープニングムービーは欲しかった

さて、本題ですがクリアまで一通りプレイした結果、まず改めて感じたのは、やっぱりSFC版のオープニングムービーが欲しかった、ということ。前回の記事でも触れましたが、クリアまでプレイして、より改めてそう感じました。

あのムービーは本当に秀逸で、オルテガの旅立ちからムオルでの出来事、ネクロゴンド火山の決戦と、息子アルスに託す母の決意までを、簡潔かつ印象的に描き出していました。

さらに、BGM「冒険の旅」との相性が抜群(サビのタイミングも最高)で、プレイヤーを予め冒険の世界に引き込む、素晴らしいオープニングに仕上がっていたと改めて思います。

ところが、今作にはそのムービーがなく、タイトル画面では「序曲」が流れるだけ

ちなみに、某メディアでFC版世代の方が「オープニングがあった!」との記事がYahooニュースに取り上げられていましたが、あれはただのタイトル画面の演出であり、SFC版のようなストーリーを語るムービーではありません。あれをオープニングとは言わん。FC版には本当に何もなかったので、その世代の方は感動するのかもしれませんが……。

さらに、今作では発売前から「オルテガの旅路に新たなシナリオ追加がある」とアナウンスされており、プレイヤーの冒険中に少しずつ明らかになる形だと聞いていました。

しかし、実際にプレイしてみた感想としては「そうでもなかったな」という印象。追加されたシナリオは、SFC版のオープニングムービーで十分表現できていた内容の域を出ていないというのが正直な感想です。

一応、サイモン関連で追加エピソードはありますが、正直言ってわざわざ追加する必要は感じなかったレベルです。

追加ボス「レヴナント」を活かしきれていない

それどころか、オルテガの旅路が細切れで語られることで、そこに関してはむしろテンポが悪くなってしまったように感じました

SFC版オープニングを見てから、プレイヤーがオルテガが立ち寄った場所にたどり着いたときに自然と感じる「あ!この村は!」「こ、この火山は!」といったエモさが、完全に失われています。

ネクロゴンド火山に追加された敵ボス「レヴナント」なんて、それこそSFC版オープニングがあってこそ輝くモンスターですよね?それなのに今作リメイクでは、一切その存在は周知されないまま、火口で初対面。

「ククク。そのツラを見ていると あのニンゲンを思い出す!」なんて突然言われても(苦笑)。

プレーヤーとしては何も滾るものは無いよね。SFC世代の自分ですらそう感じたので、今回初めてドラクエ3をプレイした人にとっては、何の印象も無い、単なるボスの一体でしかないでしょう。

せっかくSFC版に登場した謎の魔獣に名前を与え、ボスキャラクターとして格上げしたのに、十分に活かせていない印象です。しかも、見た目はただのヘルビーストの色違い。あまりにももったいないと感じました。

戦闘は結局最後まで流れ作業の倍速モード。
モンスターの「動き」も「音」も、何も印象に残らない悲しさ

さて、他にも感想として、移動の操作性や文字が小さいこと、ただの「まものよび」ゲーになってしまった点など、アレコレ言いたいことはありますが、総括して、一番クリティカルな感想に絞りたいと思います。

今回のドラクエ3リメイクで一番残念だったのは「戦闘の演出」だと、個人的には感じています。

戦闘が何の印象も残らず、ただの流れ作業になってしまった

今作のモンスターとの戦闘で「印象に残っているモンスターのアクション」って、何かありますか?

正直、僕はまったくありませんでした。戦闘は強敵含め、ただの流れ作業になってしまっています。

いやいや、そもそもコマンド式のJRPGってそういうものでしょ?」と思われるかもしれませんが、今作の場合は、戦闘のテンポを最高倍速モードに設定することが、ほぼ必須と言って過言ではなく、その結果、モンスターの「動き」も「」も一瞬で終わり、個性が失われてしまいました。

一瞬すぎて全く印象に残らないのです。戦闘に感情が入り込む余地は一切ありません。

バトルスピードは「超はやい」一択

まずバトルスピードは3段階から選べますが、正直、最速の「超はやい」以外は使い物になりません

残りの2つは単に遅いだけでなく、モンスターのアクションの間に「間」が生じてテンポが悪すぎます。これはユーザー体験としてのデザインや調整の不足を感じざるを得ません。

そして「超はやい」のモードは、単純にアニメーションを倍速で再生するだけなので、HD-2Dの美しさも情緒も感じる暇なんて一切ありません

さらにそのアクション自体も小ぶりで迫力に欠けるものばかり。最終決戦のゾーマですら、ちょっと小突く程度の攻撃。それが倍速で再生されるため、もはや動いていない域に達している。

思い出補正だと言われるかもしれませんが、SFC版のゾーマ戦を思い返すと、あの大きく腕を振り上げて攻撃するダイナミックさや、敵モンスターの中で唯一持っていたマヒャドの特殊演出が鮮烈に蘇ります。

あの戦闘には最終決戦という特別感がありました。しかし、今作ではラストの戦闘まで、遂にそれらを感じることはありませんでした。最終決戦の高鳴る鼓動や興奮がないまま、通常の戦闘の延長線上に感じてしまったことは、本当に寂しく思います。

「音」にもっと個性が欲しかった

そして、この「戦闘が印象に残らない」原因として、倍速再生されるアクションの他に、「」も重要な要素なのではないかと考えました。今作はアクションが小ぶりなせいか、それに合わせた「戦闘音」も地味な印象に留まっています。

僕は、SFC版のカンダタが斧を振り回す「音」や、ゾーマが思いっきり振りかぶってから攻撃してくるあの「音」が、今でも鮮明に耳に残っています。もちろん、思い出補正もあるかもしれませんが、それでもあの音には特別な印象がありました。

一方で、今作の音は「リアル」を追求した「正解の音」に聞こえるんですよね。「この動作ならこういう音だよね」という感じで、確かにそれは正しい。でもゲームとしてはどうなんでしょうか?

SFC版は「じゃあ、あの音は一体何の音なんだ?」と言われればその通りで、現実的には腕を振りかぶった時に大して音が出るわけでもありません。でも、そんな事、考えなくて良かったと思うんですよ。ゲームなんだから「何の音かわからないけど、とにかくカッコいい」でいいじゃないですか。それが記憶に残る音であり、長く愛されるゲーム体験だと思うのです。

「小ぶりなアクション」と「軽い音」。
それらが「超はやい」倍速モードと組み合わさり、記憶に残らない戦闘が出来上がってしまった

総括すると、SFC版ではモンスターの攻撃アクションに「大胆さ」と「」があり、それを支える「」の存在感が絶妙でした。その結果、今でも鮮烈に記憶に残っている一方で、今作のドラクエ3リメイクは、これらのバランスが調整不足のために壊れてしまったという感想です。

モンスターのアクションは全体的に小ぶりで、その結果、「音」も軽く感じられてしまいました。そして極めつけは、倍速モードによる一瞬で終わる戦闘アクション。これら3つが組み合わさった結果、「印象に残らない戦闘」が生まれてしまったと感じます。

これが本当に残念でした。鳥山先生が生み出した、生き生きとしたキャラクターたちを、もっと活かして欲しかったです。かつて一時期乱発された戦闘アニメーションなしの簡易リメイクから、ようやくアニメーションが帰ってきたというのに、それがこの仕上がりでは悲しすぎる。

今作はクラシックスタイルのドラクエとして、今後のスタンダードになる可能性があります。この後、ドラクエ「I・II」のリメイクも控えていますし、今後さらに人気作のリメイク、それこそ自分が一番好きな「V」だって、この形式でリメイクされるかもしれません。

しかし、現行システムを何の調整もなくそのまま踏襲するならば、正直に言って歓迎はできません。個人的には嫌ですね。

まとめ

以上、ドラクエ3リメイクをクリアまでプレイしてみて、SFC世代として一番悲しいと感じた点をピックアップした感想でした。

戦闘面については、だいぶ辛口の評価になってしまいましたが、全体的なゲーム体験には十分満足しています。毎日楽しんでプレイしていますよ。モンスター集めなど、やりこみ要素は増えているし、すごろく場の廃止に伴う調整は、うまく着地したと思っています。このおかげで、クリア後も日課のように、寝る前のプレイを続けています。遊びやすさに関しては本当に素晴らしい出来です。

だからこそ、戦闘演出の調整不足が「惜しい」と感じました。制作発表から長い間、音沙汰がなかったこと、そして戦闘画面が途中で一新されたことを見るに、開発過程でさまざまな事情があったのだろうと推測します。もしかすると、作り直しの影響で十分な時間が取れなかったのかもしれません。

本作にはまだアップデートによる修正の可能性も残されています。正直過度な期待はできませんが、もし改善されれば、さらに多くの人がこの作品を楽しめるようになると思います。

以上、いちドラクエファンのチラシの裏でした。

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