ミリタリー

艦艇や航空機などの紹介。イベントレポート

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公開日:2024/07/29

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EF70-200mm F4L USMで撮影したブルーインパルスの写真。演目は「ファンブレイク」。午前の部で撮影。

【松島基地航空祭】APS-Cカメラと200mmのレンズで撮るブルーインパルス

「APS-Cカメラ」と「焦点距離200mmレンズ」の組み合わせで撮影した松島基地航空祭のブルーインパルスの写真です。望遠レンズの中では比較的短めの焦点距離200mm(フルサイズ換算320mm)のレンズで、飛行中のブルーインパルスをどこまで大きく撮影できるのか。参考にしていただければ幸いです。

友人が集まるグループLINEが、来月の松島基地航空祭の話で盛り上がっています。

そんな中、カメラを始めたばかりの友人から「ブルーインパルスを撮ってみたいけど、カメラに付いてきたレンズ(55-200mm)で撮れる?もっと望遠のレンズを買わないと無理?」と質問が。

必要な焦点距離は上を考えたらキリが無いですが、今回友人が懸念しているのは「200mm程度ではブルーインパルスが豆粒のようなサイズでしか撮れないのではないか」という事。ちなみに友人のカメラはAPS-Cタイプです。

欲を言えば300mm以上は欲しいが、APS-Cとの組み合わせなら200mmでも可

滑走路に向け移動を開始するブルーインパルス1番機の写真。
焦点距離:200mm / Tv:1/400 / Av:F5.6 / ISO:100
Canon EOS 7D + Canon EF70-200mm F4L USM

200mmレンズは望遠レンズの中では、比較的焦点距離は短め。しかし僕の経験上、松島基地航空祭は「APS-Cカメラ」と「焦点距離200mmレンズ」の組み合わせで、ある程度は機体を大きく写す事は可能だと思っています。勿論、欲を言えば焦点距離はもっと欲しいですが、少なくとも200mmのレンズで豆粒しか撮れないという事はありません。

ちょうど自分が過去にAPS-Cカメラと70-200mmのレンズで撮影した写真が多数あるので、それらを紹介します。

今回紹介する写真と同じ200mm域のレンズを使用しても、どのくらいまで機体を大きく撮影できるかは、自分の撮影ポジション、当日の天候、雲の位置による飛行高度、演目によって異なりますので、その点は留意してください。

ファンブレイクの写真。編隊には十分すぎるほど寄れている

EF70-200mm F4L USMで撮影したブルーインパルスの写真。演目は「ファンブレイク」。午前の部で撮影。
「ファンブレイク」
焦点距離:200mm / Tv:1/500 / Av:F8 / ISO:100
Canon EOS 7D + Canon EF70-200mm F4L USM
過去に開催された松島基地航空祭の写真。
焦点距離:200mm / Tv:1/500 / Av:F8 / ISO:100
Canon EOS 7D + EF70-200mm F4L IS USM

まずは焦点距離200mm(※フルサイズ換算320mm)で撮影した「ファンブレイク」の写真がこちら。

この写真を見れば200mm(320mm)でも十分距離は足りていますよね。しっかり編隊全体を大きく撮影出来ています。

EF70-200mm F4L USMで撮影したブルーインパルスの写真。午前の部とは場所を変えて撮影。

こちらは撮影場所を変えて、午後の部で撮影した写真。

シャッタースピードをミスってブレちゃっていますが、こちらも十分機体に寄れており、トリミングしても解像感は保持されています。

その他演目の写真。「引き」で撮れるからこその写真もアリ

ブルーインパルス5番機、6番機による「ハーフスローロール」の写真。EF70-200mm F4L USMで撮影したブルーインパルスの写真。
「ハーフスローロール」
焦点距離:200mm / Tv:1/400 / Av:F8 / ISO:100
Canon EOS 7D + EF70-200mm F4L IS USM

5番機と6番機による「ハーフスローロール」。2機のブルーインパルスが同時に背面飛行に移行する演目です。

2機ともフレームインさせるのがポイントなので、焦点距離は200mm(320mm)付近で十分。

EF70-200mm F4L USMで撮影したブルーインパルスの写真。
EF70-200mm F4L USMで撮影したブルーインパルスの写真。
「サンライズ」

傘型隊形から散開していく「サンライズ」展開前の写真。スモークの伸びを「縦」で撮影。

ブルーインパルス演目「スタークロス」実行前の「上向き空中開花」の写真。EF70-200mm F4L USMで撮影。
「上向き空中開花」
焦点距離:70mm / Tv:1/500 / Av:F8 / ISO:100
Canon EOS 7D + EF70-200mm F4L IS USM

「スタークロス」前の「上向き空中開花」の写真。

「引き」で撮らないと収まらない演目ですが、超望遠レンズだとワイド端(焦点距離をもっとも短くした状態)にしても対応不能な場合があります。

こういった場面では「55-200mm」「18-200mm」といった所謂便利ズームなどの初心者向けレンズの方が、寧ろ柔軟に対応出来たりします。

T-4を単独で大きく撮るとなると、200mmのレンズでは若干物足りない

さて、編隊全体を収めるには200mm(320mm)でも十分ですが、T-4の機体単独で大きく撮影したいとなると、流石にちょっと物足りない場面が多いです。

比較用に2枚持ってきました。1枚目はEF70-200mm F4Lで撮影。2枚目はタムロンの100-400mm、所謂ライトバズーカで撮影した写真です。

ブルーインパルスが背面飛行している写真
焦点距離:200mm / Tv:1/800 / Av:F8 / ISO:100
Canon EOS 7D + EF70-200mm F4L IS USM

200mm(320mm)で撮影してトリミング。解像感を考えると、これぐらいのサイズのトリミングが限界です。

写っている機体のサイズは、ファンブレイクの編隊写真と同じくらいなので、やっぱり200mmのレンズだと機体に寄れるのはこのぐらいなのかなと思います。

400mm(フルサイズ換算640mm)ならここまで寄れる

TAMRON 100-400mm F/4.5-6.3 Di VC USDで撮影したブルーインパルスの写真
TAMRON 100-400mm F/4.5-6.3 Di VC USDで撮影したF-16の写真
焦点距離:339mm / Tv:1/1000 / Av:F8 / ISO:250
Canon EOS 7D + TAMRON 100-400mm F/4.5-6.3 Di VC USD

一方こちらはタムロンの100-400mm。Model A035で撮影した写真。2枚とも同じ設定で撮影。焦点距離は339mm(542mm)。

ライトバズーカでもAPS-Cカメラと組み合わせれば、テレ側の焦点距離は実質640mm。超望遠レンズとしてここまで機体に寄れちゃいます。

流石に200mmのレンズより倍の焦点距離があるだけあって、撮れる写真も全く変わってきます。

演目や機体によっては、200mmでも大きく撮れる

先述した通りブルーインパルス、もしくはF-2の機動飛行などアクロバティックな飛行演目は高度がとても高いため、200mmのレンズで機体を大きく撮影するのは困難です。

しかしそれ以外の機体は、サイズ自体がそもそも大きかったり、飛行高度が相対的には低いので、ガッツリ寄れる場合もあります。

海上保安庁 ボンバルディア DHC-8-300 おおわし
「海上保安庁 ボンバルディア DHC-8-300 おおわし」
焦点距離:200mm / Tv:1/200 / Av:F11/ ISO:100
Canon EOS 7D + EF70-200mm F4L IS USM

海上保安庁のDHC-8。機体自体が大きいという事もありますが、焦点距離200mm(320mm)でもフレーム内に大きく写せました。

飛翔する航空自衛隊UH-60J。松島基地航空祭にて撮影
「UH-60J」
焦点距離:106mm / Tv:1/250 / Av:F10/ ISO:100
Canon EOS 7D + EF70-200mm F4L IS USM

UH-60Jに至っては焦点距離106mm(170mm)で撮影。

それでここまで大きく寄れるのですから、超望遠ではない標準ズームレンズでも十分対応可能です。

駐機状態の機体は、標準~中望遠程度で十分

駐機状態の機体は規制線からだいぶ距離がありますが、これは標準ズームの70mm(フルサイズ換算112mm)から中望遠程度のレンズで十分対応出来ます。200mmも必要ありません。

人混みを写したくない場合、望遠よりもむしろ広角レンズが必要になる場面さえあります

駐機状態のブルーインパルスT-4
焦点距離:70mm(112mm)

ワイド端の70mmで撮影。

駐機状態のブルーインパルスの写真
焦点距離:81mm(130mm)

結論。200mm(320mm)でも対応出来るシーンは多いが、大前提は飛行エリアに「近い」こと

駐機中のブルーインパルスのアップ写真

ここまで70-200mmのレンズで撮影した様々な写真を紹介してきました。

結論として、単独の機体をアップで撮影するとなると、物足りない場面が多いものの、それ以外のシーンであれば、テレ側200mm(320mm)のレンズでも十分対応出来るのではないでしょうか。

今回の記事のキッカケになった友人のように、一眼レフのライトユーザー層が所有している望遠のレンズって、価格や日常用途、使用頻度のバランスを考えると、テレ側は200mm域ぐらいのものが実際多いと思います。

遥か上空を飛行するイメージの航空祭ですが、そういったライトユーザーが持っているテレ側200mmの便利ズームや、望遠キットレンズの焦点距離でも、航空祭には対応できることを参考にしてもらえば幸いです。

基地内で良い撮影場所を確保する

ただし! 今回紹介した写真は展示飛行エリアの最も近く、つまり規制線のすぐ側で撮影したものです。

展示飛行エリアから離れれば、それだけ演目中の機体と距離が開くわけで、当然レンズの焦点距離は物足りなくなります。

まず基地内の何処に陣取って撮影をするのかが非常に重要です。撮りたい写真を考えて、適切な場所を選んでください。

その他、記事の冒頭でも触れたように、機体をどれだけ大きく撮れるかは、当日の天候や雲の位置、飛行高度、演目によって異なりますので、その点にも留意してください。

最後に。「足りる」「足りない」は結局、本人が撮りたい写真次第

尚、今回の記事はAPS-Cカメラとテレ側200mm(320mm)のレンズで、航空祭に対応できるという結論ですが、これは友人の「200mmのレンズで距離は届くのか。ブルーインパルスは豆粒になってしまわないか」という懸念に対しての回答です。

結局、どの焦点距離のレンズが必要かは、撮影者の撮りたい写真によります。フレームをはみ出る程の大迫力な機体を撮りたいならば、当然200mmでは足りないし、そもそも「被写体の航空機をアップで撮る」ことが正解というわけでもありません。

あくまでAPS-Cカメラと200mmのレンズの組み合わせで撮影した場合の、参考程度に考えていただければ幸いです。

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